紹介されて遠くから来られた患者さんですが、もう血圧が高いのは10年以上になります。
血圧が150以上になると頭痛がしたり、動悸、顔のほてりを感じます。特に夕方になると血圧は上がりやすくなります。ですから、御自身でも毎日血圧は朝、夕と気をつけて測るようにしています。
さらにもうひとつ、彼女には気になる症状があり、それはいつとはいえないが、突然意識がなくなって倒れることが、年に1から2回あるというのです。
バタンと倒れ、その間意識がないといいます。疲れた時なのかなとご本人は感じています。血圧の薬は、気をつけて飲むようにするのですが、飲むとふらふらしたり、家族とも話したくなくなったり、疲れてやる気もなくなり調子がおかしいのです。
もともとは活動家で運動もするし、出かけることも好きな方でこんなはずはないと思っています。身体のことも気になり、血圧も安定させたいし、かといってふらふらするのも気になるし、どうしたらもとの元気な自分に戻れるか、色々悩んで遠くから相談にこられました。
この方の、①年に1から2回意識が突然なくなったりすること②血圧の薬を飲むとだるく、やる気がなくなること③ふだんのぼせたり、頭痛がしたり、動悸がしたり、血圧があがるなどは、清陽不昇(せいようふしょう)といい、頭に陽気が上がらないために疲労性ののぼせを起こすことをいいます。気が頭にあがらないために、突然意識を失ったりする人に、血圧だけをみて一律に下げようとしますと、脳への血液の供給量は当然減りますので、日頃はフラフラしたり、やる気をなくしても当然ということになります。
漢方のお薬をお出しして、血圧の薬をやめられたところ、元のお元気な方にじきに戻られました。あわせて、頭痛も動悸も、顔のほてりもなくなっています。これからもずっと、血圧の薬を飲まれていたら、欝的になったり、痴呆症にでもなったかもしれません。
現代の医療では見えないものが、漢方の眼で見ると、全く違うものが見え、一人でも多くの悩める方を救えればいいと思います。
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