彼女はホテル専属のマッサージ師である。ホテルと言ってもシテイホテルで、知りあうきっかけとなったのは、春と秋に必ずそのホテルで学術団体の勉強会が行われるからであり、もう三十年以上になる。
先日、久しぶりに勉強会の合間に、マッサージを受ける時間がとれたので、彼女を呼ぶことにした。会話は健康のことになり、彼女が右肩の年腕で困っていることを打ち明けられた。
マッサージを受けながら、彼女は右肩から腕にかけての筋(すじ)が冷えて痛むことがわかった。彼女も、当然整形外科に診てもらっているが、この手の治療はどうも整形外科は不得意で、せいぜい痛み止めとマッサージやホットパック位しか対処法がなく、なかなか治らないようである。
マッサージを受けた日から数日経って、彼女から漢方薬を送って欲しいと電話が入った。とにかく、痛くて仕事にならないとの話である。利き腕だけに当然である。
漢方薬で肩から上腕にかけて、温めて冷えを取り、筋をほぐす薬を、15日分すぐに送った次第である。2・3日して彼女から電話があり、ウソのように楽になったという。ふだん肩もこるが、そちらも楽だという。
その後、彼女から、東京にお住まいで、とにかく肩コリがひどく、永年頭痛もちの女性の方を紹介していただいた。肩コリは背中までつながり、こりがひどいと頭痛が起こるという。
この頭痛もどこへ行っても治らないというお墨付きである。
遠くなので、電話で話をお聞きし、冷えから来ていると判断をし、漢方薬を10日分お送りした。
飲んだその日から、頭痛を忘れており、この10日間肩コリも感じていないと、ウソのような話である。今は治療の漢方薬10日分を15日分で飲んでおられる。
そのうち、この方も永年の肩コリ、頭痛ともお別れできるであろう。
漢方専科
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